「秋風の 浅間のやどり 朝つゆに あめのとひらく 乗鞍の山」
―伊藤佐千夫
これは浅間温泉の宿に泊まった時に、ぱーっと雲が晴れ渡って乗鞍の山が見られた喜びを謳ったとされる歌です。
と、言ったように浅間温泉も他の温泉地と同様に文人墨客に愛されてきました。
浅間温泉は短歌の雑誌「アララギ」に端を発し、明治41年に歌会が開かれたことからアララギ派結成の地と言われています。
正岡子規門下であった伊藤佐千夫がその中心となりアララギ派は結成されました。
そんな文人墨客に愛された浅間温泉。
他にどんな人が訪れたのでしょうか。ちょっと調べてみました。
浅間温泉と文人墨客
正岡子規
写真を見れば「ああ、この人か!」となるくらい有名な俳人・歌人・国学研究家です。道後温泉のお膝元、松山市出身。夏目漱石をさまざまな文人と交流があり、数々の名歌を残しました。生涯で20万を超える歌を歌ったとか。柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺。
伊藤佐千夫
その正岡子規門下なのが、伊藤佐千夫です。千葉県武射郡殿台村(成東町を経て現在・山武市)出身。歌人・小説家です。正岡子規に影響を受けて雑誌「アララギ」を創刊。数々の名歌を残す。純愛小説「野菊の墓」も有名。切ない文体で好き。正岡子規の同窓の夏目漱石も絶賛したとか。明治42年に浅間温泉で逗留した。
竹久夢二
1930年代に浅間温泉に何度か訪れ、しばらく滞在したとのこと。画家・詩人。美人画で有名で、一度は見たことがあるはず。結核により富士見町にある富士見高原療養所にて没。こちらはジブリの「風立ちぬ」でも出てきた療養所ですね。蛇足ですが。
与謝野晶子
これまた大変有名な歌人・作家です。上高地からの帰りに浅間温泉に寄ったとか。
たかき山つつめる雲を前にして 紅き灯にそむ浅間の湯かな
と浅間温泉の歌も残しています。
●田山花袋
小説家。自然主義派。高校の時、常用国語便覧に書いてあった「蒲団」のあらすじで衝撃を受けたのが強烈な記憶として残っているが、読み物としては「田舎教師」が好き。温泉がたいへん好きだったらしく、浅間温泉には3回訪れているとか。「温泉めぐり」(田山花袋・1926(大正15)年)で読むことができる。
うーん。なかなかのもんです。
もっと「文人墨客に愛された浅間温泉!!」といっていいくらい著名な方々ですね。私は、浅間温泉を知る前からすべての人物を知っていたくらいですもん。
昔から浅間温泉は愛されていたんですね。
浅間温泉とアーティスト
といったわけで話を飛躍させますと、温泉地ってアーティストと親和性が高いと思っているのですよ。
温泉地に逗留して作品制作に没頭する。
漫画家や小説家で言ったら「缶詰」ってやつかもしれませんが、経験したことのない身には「先生、遅れてるんで旅館取りました。缶詰になってもらいます!」なんて言われたら「いよいよ自分もそのランクになったか!」と喜んでしまいそう。
・・・て話では無くて、温泉地は文人墨客が昔から逗留していた場所で、文化的な側面も持っていたので、今で言ったらアーティストに来てもらってイベントなんかをやるのもいいんじゃないかな?と思ったのでした。
かの伊藤佐千夫がアララギ派を結成するに至ったのも、浅間温泉での歌会が元だと言われていますし。
となると、まずはアーティストインレジデンスだと思うんですよ。最初に。まず、呼び水としてAIRをやりまして、流れを作り、アーティストが信州に住むと言ったら温泉で療養もできる浅間温泉でしょ!・・・みたいになったら楽しそうじゃないですか。
なんかポルトマツモトでもそんな流れに貢献していきたいものです。
微力ですが。でも、本当に実現したいですね。
知識人や芸術家が集まり、侃々諤々のトークショーなんかを暮らしている浅間温泉で毎晩のようにやっていたら行きますもん。
楽しそう。。。